メインコンテンツに移動

2021年1月8日(金)

 

半導体の主要応用先になったモビリティ、最新理解をSEMICON Japan Virtualで

株式会社エンライト 伊藤 元昭

 

自動車業界では、CASE(Connected, Autonomous, Sharing&Services, Electric)トレンドに沿った技術とビジネス両面での大変革が起きています。2020年、CASEに沿った技術開発と事業創出の取り組みは、試用段階から本格的実用化段階へと突入しました。

もはやクルマは、半導体の応用先の1つではなくなりました。新たな半導体のニーズを生み出し、半導体技術の進化を牽引していくテクノロジードライバーになりつつあります。SEMICON Japan Virtualでは、自動車産業をリードしていく企業のエグゼクティブやリーダーが集い、近未来のクルマの姿とそれを実現する半導体の姿について語る講演を用意しています。2021年1月15日(金)17:00までオンデマンドでの聴講、閲覧が可能です。モビリティの未来に関する最新の理解を知るため、そこで生まれる半導体の新たなニーズを知るため、残された機会をぜひご利用ください。

 

果敢な挑戦の積み重ねで生まれる未来のクルマ

星野朝子氏

「電動化や自動運転などの先進技術は、技術自体の新規性が重要なのではなく、お客さまにいかなる価値を生み出すかが重要なのです」。日産自動車 執行役副社長の星野朝子氏は、CASEトレンドに沿った大変革に取り組む際に同社が大切にしていることをこのように語りました。

電動化や自動運転化の領域で、日産は、「ゼロから1」を生み出す取り組みを果敢に推し進めてきました。星野氏は、SEMICON Japan Virtualのキーノートセッション「SMART Mobility 1」の中で、「〈電動化×自動運転化の未来予想図〉Beyond Mobility ~移動のその先へ、社会を前進させる日産のモビリティ~」と題した講演に登壇しています。

日産では、他社に先がけて2010年に電気自動車(EV)「日産リーフ」を世界で初めて量産化。現在に至るまで、技術の進化・熟成と充電ステーションの整備など、EVの普及に向けた実績を着実に積んできました。星野氏は、「一度、電気自動車を購入して、ガソリンを使わない移動手段を経験した人は、次も電気自動車を購入します。これは世界中で見られる傾向です。電動化は後戻りしないのです」と電動化に対する市場の評価に手応えを感じていると言います。

自動運転化の領域においても、日産は20年以上にわたって運転支援技術の開発に取り組み、数々の“世界初”となる自動運転の技術を市場導入し、技術革新をリードしてきました。2016年には高速道路の単一車線での運転支援技術「プロパイロット」を市場投入し、現在では世界で81万台のクルマに搭載されています。さらに、2019年には世界初の同一車線内ハンズオフ機能付き高速道路ナビ連動ルート走行技術「プロパイロット 2.0」を「スカイライン」に搭載し、また一歩自動運転化に近づきました。

星野氏の講演では、先駆者である同社の眼に見えるCASE時代のモビリティの姿と役割、これからの進化の方向性が語られています。さらに、その実現に向けて同社が投入した技術、開発のプロセスも仔細にわたって惜しみなく披露しています。
 

 

電子業界視点で考えるCASE時代のクルマの別解

川西泉氏

2000年代以降、スマートフォンの登場によって多くの人々がネットを通じて様々な情報にアクセス可能になり、社会や産業の姿が大きく変わりました。ソニー 執行役員 AIロボティクスビジネス担当の川西 泉氏は、「次の10年の変革はモビリティがもたらすとみています」と語っています。

ソニーは、2020年初に開催された「CES 2020」でコンセプトカー「VISION-S」を発表して世界を驚かせました。川西氏は、キーノートセッション「SMART Mobility 1」の中で、「ソニーが挑むクルマづくり」と題する講演に登壇し、なぜソニーがクルマを開発したのか、その狙いと同社が提案する新しいクルマの姿を解説しています。

ソニーは、半導体やソフトウエア、ヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)、そして顧客体験(UX)を創出する技術など、CASE時代の自動車業界が求める多様な技術を保有しています。しかし、安全な乗り物であることが何より大切なクルマを作るためには、自動車業界固有の構造、遵守すべき法規・ルール、専門的な技術、さらには独自のコミュニティについてもっと熟知する必要があると考えたようです。CASE時代の自動車産業に、ソニーがどのような貢献ができるのかを明らかにするため、「コンセプトモックアップではなく、クルマとしての完成度、リアリティにこだわった走行可能な車両として、VISION-Sを開発しました」と川西氏は語っています。

VISION-Sは、電子業界に軸足を置くソニーが提案する、既存の自動車関連企業とは別の視点から描いたCASE時代のクルマの別解だと言えます。川西氏の講演では、VISION-Sクルマ全体のコンセプト、アーキテクチャ、搭載する機能、外装、内装など、細部に至るまで、提案の狙いや実現に向けて投入した技術、さらには今後の展開まで解説しています。

 

世界的メガサプライヤは半導体による大変革に社運を賭ける

Klaus Meder氏

「モビリティにおける『電動化』『自動運転化』『ネットワーク化』『知能化』という4つのメガトレンドは、半導体業界にとって大きな変革です。私たちは、モビリティの新時代に社運を賭けています」とボッシュ日本法人 代表取締役社長のKlaus Meder氏は言います。

ボッシュは、自動車産業のメガサプライヤの中で、世界に先駆けて半導体の自社開発、自社生産に踏み切った企業です。今では、Industry 4.0に沿って自動化を推し進めた300mmウエハーラインを保有するなど、半導体メーカーとしても大きな存在感を放ち、パワーデバイス、ASIC、マイコン、そしてMEMSセンサーなど多種多様な半導体チップを提供しています。Meder氏は、テクニカルビジネスセッション「SMART Mobility 2」で「セミコンダクターと自動運転」と題して登壇。ボッシュが提供する半導体の開発・生産、さらには同社が半導体開発の前提としている自動車業界のメガトレンドについて解説しています。

講演の中では、リアルタイムで道路周辺の状況を反映したマップを作り出す技術やあらゆる状況で正確な自動運転を実現するための検証技術など、同社が開発する最新の自動運転関連技術を紹介しています。加えて、これからの車載用半導体開発で重要視すべきポイント、量産体制やクルマの安全性確保に欠かせない品質管理体制についても言及しています。

 

先進的半導体の開発力は自動車関連メーカーの生命線

川原 伸章氏

CASE時代、いかに先進的な半導体を開発・調達できるかが自動車メーカー各社の命運を握る可能性が出てきています。「CASEの4要素いずれにおいても、半導体がキーデバイスとなります。その一方で、カーエレクトロニクスは、複雑化、大規模化し、ますます技術開発の重要性が高まり、開発スピードの向上も求められています」とCASEを推し進める半導体を開発するミライズテクノロジーズ 取締役の川原 伸章氏は言います。

ミライズテクノロジーズは、2020年4月にデンソーとトヨタ自動車の出資によって設立された先進的な車載半導体を先行開発する会社です。川原氏はテクニカルビジネスセッション「SMART Mobility 2」で「CASEを加速させる半導体」と題して登壇。トヨタやデンソーがCASE時代を勝ち抜くために考えている半導体開発戦略を紹介しています。

「ミライズテクノロジーズでは、トヨタの持つモビリティ視点、ならびにデンソーが培ってきた車載視点からの知見を賭け合わせることで、技術革新の鍵となる次世代車載半導体をより早期に開発していきます」と川原氏は同社設立の狙いを説明しています。講演の中では、トヨタとデンソーが思い描くCASEトレンドと求められる技術、そこでの課題とその解決指針を体系的に整理して詳細に解説しています。

 

クルマの未来を提案するスマートモビリティパビリオン

バーチャルな展示会場「Expo Hall」内に設けた「テクノロジーパビリオン」では、「第3回 SEMIスマートモビリティパビリオン」が開催されています。

そこでは、ボッシュが、同社の最先端の半導体工場と、自動運転技術を活用した自動バレーパーキング・サービスを紹介しています。また、モビリティ産業におけるブロックチェーン利用技術の標準化と普及を推し進めるコンソーシアムであるMOBI(Mobility Open Blockchain Initiative)は、モビリティの安全性、環境性、利便性の工場に向けたブロックチェーン技術の利用に関する取り組みを説明。一方、日産はこれまでの電動化、自動運転化技術と未来に目指すクルマをつなぐ存在として位置付ける、2021年中旬に発売予定のインテリジェントなEV「日産アリア」についての最新情報を披露しています。さらに、自動運転に関連した技術のオープン化によって、水平分業による技術開発・応用開拓の加速を目指すTierIVは、完全自動運転の実現に向けた高速データ処理を実現するSoC研究開発を提案しています。

SEMICON Japan Virtualでの展示は、2021年1月15日(金)17:00まで閲覧できます。ぜひサイトにアクセスし、モビリティの進化に向けた各社の提案を御覧ください。