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2024年10月30日(水)

規模を拡大して開催される「SEMICON Japan 2024」、初の設計サミット「ADIS」併設

株式会社エンライト 伊藤 元昭
 

「半導体の未来がここにある。」をテーマとして、世界有数のマイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会である「SEMICON Japan 2024」が、2024年12月11日(水)~13日(金)に東京ビッグサイトで開催されます(図1)。

図1:SEMICON Japan 2024/203の会場の様子


図1 さらに規模を拡大して開催されるSEMICON Japan 2024

 

日本国内での半導体チップ製造体制を再強化する動きを背景にして、ここ数年、規模を拡大し続けていきたSEMICON Japan。今回もさらに規模が拡大し、半導体製造工程の全域にわたる1,000を超える企業・団体の出展者が出展します。今年で3回目の開催となる、半導体パッケージングおよび基盤実装分野のトッププレイヤーが集結する「Advanced Packaging and Chiplet Summit (APCS)」を合わせて、会場スペースも前回よりも拡張。東京ビッグサイト東展示棟全体の1-8ホールでの展示とSuperTHEATERでの講演などに加え、会議棟においてもチュートリアルから専門情報まで、技術開発から応用・市場動向まで、さまざまな角度から情報収集できる多数のセミナーが開催されます(図2)。

会場図2024

図2 SEMICON Japan 2024のフロアマップ

 

設計・検証分野にフォーカスした新たな情報発信の場を新設

SEMICON Japanでは、日本の半導体サプライチェーン全体の機能と活性度を全方位から底上げするため、後工程のAPCSやフレキシブルデバイスの「FLEX Japan」など、新たに強化・拡張していくべき領域にフォーカスした情報発信の場を設けてきました。そして今回は、近い将来、日本での半導体製造体制が飛躍的に強化されることを見越して、新世代の半導体設計と検証分野にフォーカスした新たなサミット「Advanced Design Innovation Summit(ADIS)」が新設され、同時開催されます(図3)。 

APCS_ADIS_FLEX

図3 設計と検証にフォーカスした新たな併設展示会「ADIS」を新設

 

たとえ、日本国内に半導体製造拠点が数多く立ち上がったとしても、それらの拠点で製造するチップを設計する力が養われなければ、日本の産業競争力の底上げにはつながりません。

特に、日本の基幹産業である自動車産業では、クルマの情報化と知能化に対応するための高度で独自性の高いチップ設計が必須になっています。さらに、技術の高度化と応用の急拡大が進んでいる人工知能(AI)を活用するためのチップも、この領域でのサービスをリードしているGAFAMが例外なく独自チップを設計して自社データセンターに投入するなど、自社設計力が競争の論点の一つとなっています。

さらに、近年の最先端チップでは、製造と設計の擦り合わせ開発をしないと、採算性の高い歩留まりでの生産が不可能な状況になってきており、ファウンドリ各社も設計支援サービスを強化するようにもなりました。

今回のSEMICON Japanで立ち上がったADISが今後どのくらい成長していくかは、日本の半導体産業の成長を如実に示すバロメーターになるのではいでしょうか。

一方、毎年注目度が高まり続けているAPCSでは、全体テーマとして「半導体の未来を創る先端パッケージング技術の挑戦」を掲げて開催されます。3つの技術セッションでは、次世代の半導体用パッケージ基板として期待される「ガラス基板」、複雑化する後工程での生産性向上に向けた「後工程の自動化」、さらには自動車産業などユーザー目線からの先端半導体技術に対する期待と仮題を論じる「アドバンストパッケージのユーザー側の実態」をテーマとした講演が行われます。

 

設計・検証分野にフォーカスした新たな情報発信の場を新設

毎年、多くの聴講者を集めるSEMICON Japanの講演とセミナーですが、今回も魅力的な数多くのプログラムが用意されています。前回を超える250人以上の業界リーダーや専門家が講師として登壇。世界の半導体サプライチェーン産業の最新技術と市場動向について語ります。世界と日本の半導体産業の今を知る絶好の機会となることでしょう。それらの中から、特に注目したい講演・セミナーをいくつか紹介します

まず、会期初日の12月11日には、東2ホールのSuperTHEATERにて、Opening Session「1兆ドル半導体市場への挑戦」が開催されます。ここでは、デジタル革命の潮流に乗って2030年までに1兆ドルに達するとみられる世界の半導体産業の中で、日本の半導体産業は何を目指すべきか、産業の成長をいかに持続し、豊かな社会の実現に貢献すべきかについて議論します。

昨年のオープニングパネルの様子


図4 昨年のオープニングパネルの様子

 

オープニングセッションでは、日本での先端半導体製造をリードする役割を担うRapidus 取締役会長の東 哲郎氏、半導体戦略の最終段階において日本の強みとなる半導体技術の中核となる光電融合技術「IOWN」の開発をリードする日本電信電話(NTT)代表取締役会長の澤田 純氏、日本の基幹産業である自動車産業の中で車載半導体の開発と応用をリードするデンソー 経営役員の加藤良文氏をパネリストとして、「サステナブル社会実現にむけた半導体技術の挑戦」と題したパネルディスカッションを開催します(図4)。ここでは、環境、人材、技術開発など幅広い視点から、日本の半導体ひいては科学技術の未来を論じます。

また、同日のOpening Sessionに続いてSuperTHEATERでは、「AIが切り開く新しい半導体市場 AIチップリーディングカンパニーが描く未来戦略」と題した最新AI技術とそこで利用される半導体チップの最前線に関する講演が集中開催されます。生成AIの実用化とその応用拡大によって、半導体市場が量的にも質的にも大きく姿を変えつつあります。こうした中で、いかに競争力を強化し、成長を持続できるか。日本政府の行政機関、最先端ロジックファウンドリ、そしてAI技術をリードする米国企業のトップが登壇し、その未来へ向けたビジョンを語ります。

ここでは、国内での最新AIチップの製造を担うことになるRapidus 代表取締役社長の小池淳義氏が、AI時代での半導体チップ製造のニーズに適応した新たな半導体ビジネスモデルとして同社が提案する「RUMS(Rapid and Unified Manufacturing Service)」について解説。さらには、AppleやAMDの先端SoC開発を指揮し、Intelでのチップレット導入を指導して、それぞれの競争力を高めた「伝説のエンジニア」として知られるTenstorrent CEOのJim Keller氏が、現在開発している組み込みからデータセンターまでをカバーするスケーラブルなAIソリューションの最新情報を明らかにします。また、AIの応用とチップの両面で技術開発とビジネス創出をリードしているIBM Senior Vice President and Director of IBM ResearchのDario Gil氏も登壇。AIの性能と処理効率を最大化するために求められるハードウエア、アルゴリズム、AIモデル、ソフトウエア、アプリケーションの協調的な最適化ソリューションについて解説します。単に既存の半導体チップ上でAIモデルを構築し、利用するのではなく、チップも含めた異領域の技術間での擦り合わせを論じます。

 

新卒採用の学生に選考免除などの特典「SEMI ファストパスプログラム」

今回のSEMICON Japanでは、来場した学生に新卒採用の選考で選考免除などの特典を受けられる仕組み「SEMIファストプログラム」を用意しています。学生が、プログラムに参画している企業のブースを訪問し、指定したレポートなどを提出することによって、新卒採用時の書類審査や一次面接の免除など、各企業それぞれが設定した特典を得られる仕組みです。

参画企業として、半導体業界をリードする多くの企業が名乗りを挙げています。アドバンテスト、アプライド マテリアルズ ジャパン、旭ダイヤモンド工業、BBS金明、クリーン・テクノロジー、クリエイティブテクノロジー、ディスコ、荏原製作所、日立ハイテク、イワキ、カンケンテクノ、村田機械、武蔵エンジニアリング、ニコン、リオン、ローツェ、サムコ、SCREENホールディングス、新光電気工業、タカノ、THK、TMH、東レエンジニアリング、TOWA、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン、図研が参画しています。

半導体産業は、将来に向けた成長が確約されていると断言できる優良産業です。既に半導体産業に興味を持っている学生の方々の参集はもとより、家族や知り合いに興味を持つ学生がいる方々に声がけしてみてはいかがでしょうか。

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