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2022年10月27日(木)

半導体の足元の減速感の設備投資への影響

SEMIジャパン 安藤洋一郎

 

急成長を続ける半導体市場の潮目が変わった

2021年は半導体およびそのサプライチェーンにとって未曽有の成長の年となりました。世界半導体市場統計(WSTS)の集計によると、2021年の半導体市場は前年比で実に26.2%増の5559億ドルに達しました。半導体不足に対応すべく、各社は積極的な設備投資を続けており、半導体製造装置市場もSEMIが半導体前工程ファブの設備投資および生産能力情報を調査したWorld Fab Forecastレポートによると、前年比42%増の910億ドルと急増しています(パッケージング/テスト装置は含まず)。

2022年も前年同様とはいかないまでも、さらなる成長の継続が約束されていたかに見えましたが、今年の第2四半期にはいって状況に変化が現れました。WSTSの集計によると、2022年第2四半期の半導体市場が前四半期比で0.8%減少したのです。WSTSは、8月に2022年の成長率を前回6月の発表から2.4ポイント引き下げ、13.9%増の6330億ドルへと下方修正しました。9月に発表されたWorld Fab Forecastレポートにおいても、2022年のファブ装置の投資額予測を、前回6月の予測から11ポイント引き下げ、9%増の990億ドルへと下方修正しています。

 

半導体・ファブ装置市場成長率予測の変化


出所:WSTS(半導体市場)、SEMI(ファブ装置市場)の発表を元に作成

 

2023年の半導体市場と装置市場

潮目が変わったように見える半導体市場ですが、2023年の予測については、予測機関によってプラス6%からマイナス22%まで判断はまちまちとなっています。しかし、いずれも2022年の成長率を下回る予測となっていることでは一致をしています。半導体市場のアプリケーション領域はあらゆる分野に拡大しており、過去のようにひとつのキラーアプリケーションによって全体が浮き沈みする傾向はなくなりましたが、様々なマクロ的要因が複合的に影響をするようになり、世界経済、地政学的問題、政府の産業支援、そして広範なアプリケーション市場の分析などの総合的判断が予測を複雑化していると言えるでしょう。

 

Semiconductor Market Forecasts

出所:Semiconductor Intelligence, LLC

 

しかし長期的には世界の一層のデジタル化と共に半導体市場の成長が持続することは共通認識になっていると思われ、依然として経済成長の足かせとなっている半導体不足を解消し、また将来の需要に対応するため、各社とも設備投資が維持している状況です。かりに市場の減速が想定を上回ったとしても、必ずやってくる次の成長ターンが始まる時点での生産能力の優劣が競争を左右する恐れがあります。また各国政府の安全保障を背景とした資金投下も投資を押し上げています。World Fab Forecastは、2023年のファブ装置の投資額が前年比で2%減の970億ドルとなると予測しています。しかしこの金額は2020年の640億ドルの52%増、2021年の900億ドルと比較しても8%増の高水準であり、半導体生産能力の拡大トレンドは維持される模様です。

 

ファブの装置投資額と生産能力増加率の推移

 

複雑化する市場の展開を見通す

12月のSEMICON Japan 2022では、SEMIの2022年末の半導体製造装置市場予測が発表されます。これにより、2022年の着地点と、2023年の展開が最新のデータに基づいて示されますが、SEMICON Japanではこのほかにも、今後の半導体設備投資を予測する上で重要な市場情報を提供する2つのイベントを予定しています。市場が大きく揺れ動いている今、将来に向けての戦略を誤らないために、ぜひSEMICON Japanで最新の情報をご入手ください。

 

関連セミナー


SuperTHEATER

Bulls & Bears「半導体ブームの行方と2022-2023年装置市場」

12月15日(木) 東京ビッグサイト東3ホール(会場開催のみ)

SEMIが7月に発表した半導体製造装置市場予測によると、2022年の装置売上高は過去最高であった前年から15%成長し1175億ドルに達します。これは5年前、2017年の市場の2倍以上の規模となる正に未曾有の好況といえますが、足元ではDRAMや台湾メーカーに減速の報道もあり、来年以降の市場動向は大きく注目されるところです。Bulls & Bearsでは半導体製造装置をカバーする国内トップ証券アナリストにご登壇いただき、装置市場の行方を読み解きます。

モデレーター:
OMDIA C&D コンサルティング シニアコンサルティングディレクター 南川 明氏

パネリスト:
ジェフリーズ証券 調査部 マネージング ディレクター 中名生 正弘 氏
東海東京調査センター グローバルテクノロジー調査室長 チーフアナリスト 石野 雅彦氏
UBS証券 調査本部 共同本部長 Managing Director 安井 健二氏
三菱UFJモルガン・スタンレー證券 インベストメントリサーチ部 シニアアナリスト 長谷川 義人氏

 

 

 

SEMI Market

SEMIマーケットフォーラム「複雑化する半導体市場環境を読み解く」

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半導体の市場環境は、DXの拡大、地政学的緊張、パンデミック、経済安全保障などにより複雑化し、その展望が不透明になっています。本フォーラムでは、SEMIの最新の半導体製造装置・材料市場予測に加え、半導体前工程ファブの設備投資および生産能力動向データ、さらに業界トップアナリストによるエレクトロニクス市場の展望を提供し、世界が注目する市場の行方を読み解きます。(リモート聴講も可能です)

講演者:
OMDIA C&D コンサルティング シニアコンサルティングディレクター 南川 明氏
SEMI HQ Corporate Marketing and Market Intelligence Vice President Sanjay Malhotra 氏
SEMI Market Intelligence Team Senior Principal Christian Gregor Dieseldorff