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2022年9月22日(金)

最先端後工程技術を日本の特産品に、未来の要素技術との出会いの場APCS

株式会社エンライト 伊藤 元昭

 

スマートフォンなど情報機器はもとより、自動車も、工場を効率的に動かすFAも、電力や交通といった社会インフラも・・・。あらゆる機器・システムで、半導体をフル活用したスマート化が推し進められるようになりました。こうした応用側の期待に応えるように、半導体の進化はとどまるところを知りません。

これまで半導体は、微細加工技術の進展を主軸に据えて進化してきました。ただし、さらなる微細化を実現するため、さらには新たな価値をチップに付与するため、3D積層やチップレットなど後工程技術での技術革新が求められるようになりました。

半導体産業における製造技術、装置、材料をはじめ、車やIoT 機器などのSMART アプリケーションまでをカバーする「SEMICON Japan」は、これまでの開催において、常に時代の要請に応える情報とネットワーキングの場を提供し続けてきました。そして今、後工程関連技術のサプライチェーンに関する情報ニーズの高まりを受けて、2022年12月14日~16日に開催される「SEMICON Japan 2022」に併せ、後工程技術に特化した専門展示会「Advanced Packaging and Chiplet Summit(APCS)」を新設・開催します(図1)。最先端の後工程技術開発をリードするキーパーソン、チップ製造に適用するために不可欠な革新的な装置・材料・設計環境などに関する情報とサプライヤーおよびその最新製品が一同に会する場となります。

 

APCS


図1 「SEMICON Japan 2022」と併催する、後工程技術に特化した専門展示会「Advanced Packaging and Chiplet Summit(APCS)」

 

日本の強い後工程技術を世界に発信

世界の半導体産業は今、後工程技術での技術革新の種となる新技術・新しい材料・新たな製造装置の登場を渇望しています。

APCS実行推進委員会の委員長を務める長瀬産業 NVC室 執行役員の折井靖光氏は、「日本企業は、世界最先端の半導体パッケージ技術を駆使することによって、携帯型のAV機器や通信機器などの分野で、市場競争力の高い、高付加価値な機器を生み出してきました。そうした強みを支える半導体後工程用の装置・材料は、技術とビジネスの両面で、今でも世界をリードしています。世界の半導体産業が後工程技術での技術革新に大きな期待を寄せるようになった今、日本の後工程関連の技術開発力とサプライチェーンが貢献できることは大きいと考えています。日本が蓄積・構築してきた技術とサプライチェーンを生かし、日本で最先端の後工程技術を創出し、世界に向けて発信していくことで、日本の半導体産業の再興を加速し、世界をリードするポジションを取れると確信しています」と語っています。

台湾TSMCが、同社として初めて海外に設置する研究開発拠点として、つくばに「3DIC研究開発センター」を置いた大きな理由のひとつとして、チップレットのさらなる高度化に欠かせないインターポーザ技術を持つ基板メーカーが日本にあることが挙がります。このことからもわかるように、日本の進んだ後工程技術には、半導体業界の世界をリードするトップ企業を惹き付ける魅力があります。

今後、より微細化を推し進めたチップを安定的に量産していくためには、従来チップ上に積層していたグローバル配線を、基板上に移して前工程の負担を軽減していく必要があります。その実現には、基板上に形成する配線はさらに微細化し、高密度実装も可能にする技術の確立が欠かせません。もちろん、チップ上の素子や配線に比べれば、基板上の配線幅は微細ではなく、一見簡単な技術であるかに見えるかもしれません。しかし、ウエハーに比べて面積が大きな基板に微細配線を形成できる露光装置や材料などが新たに必要になってきます。また、基板内にチップを埋め込むような技術も必要です。こうした部分の技術開発には、日本の企業・大学・研究機関などの力を生かすことができます。

後工程領域での優位性を生かして、日本の半導体産業をもっと盛り上げようとする企業の士気は急激に高まっています。後工程技術の発表が多いエレクトロニクス実装学会と前工程の技術が集まる応用物理学会が共同で「3D・チップレット研究会」を立ち上げました。2022年7月に開催したそのキックオフ会議には、420名もの参加者が集まりました。通常、学会の専門研究会は100名集まれば上々であることを考えると、この領域がいかに突出した盛り上がりを見せているのかがわかります。

 

未来の後工程技術の姿が垣間見えるAPCS

APCSでは、業界をリードする主要企業が後工程に関連した最新技術やサービスを披露する「展示エリア」、最先端技術の開発と製造への適用をリードする世界のトップ半導体メーカーとサプライヤーから多数のキーパーソンが登壇する「カンファレンス」、この領域の世界のVIPやキーパーソンが参加して関係づくりと情報交換を行う場「ネットワーキングイベント」が用意されます。

展示エリアは、東京ビッグサイト 東1、2、3の各ホールにまたがって設置されます(図2)。出展希望社を募った途端早々に当初予定エリアが完売してしまったほど、APCSには多くの注目が集まっています。SEMIジャパンでは、展示エリアを計画よりも拡大。最終的には70社~80社が出展する見込みです。各社から、来場者の期待に応える力の入った展示が披露されることでしょう。

 

APCSの展示エリアと出展社ブースのイメージ


図2 APCSの展示エリアと出展社ブースのイメージ

 

カンファレンスは、展示エリアに近接する「SuperTHEATER」、会議棟に設ける「Tech & Biz」、半導体製造の国際技術シンポジウム「STS(SEMIテクノロジーシンポジウム)」の3つに分けて開催します。このうち、SuperTHEATERでは、米AMD、台湾ASE、米IBM、米Intel、台湾TSMC など最先端の後工程技術の開発と製造への適用をリードするキーパーソンが登壇します。2022年3月2日に公開されたチップレット間インタフェースの標準仕様「Universal Chiplet Interconnect Express(UCIe) 1.0」の今後の展開など最新情報を聞くことができるかもしれません。Tech & Bizでは、日本、台湾の次世代デバイス開発動向や半導体、国家プロジェクト最前線に関する多数の講演が用意される予定です。

ネットワーキングの場としては、SuperTHEATERの会場にカンファレンス講演者や出展社を集める「APCSネットワーキング」を開催します。革新的技術の創出には多様な知識の融合が欠かせません。APCSは、思ってもみなかったような知識との出会い、新たな気付きの場となることでしょう。

最先端の半導体後工程技術、およびそれに関連する装置・材料は日本の特産品になる可能性があります。APCSは、世界で最も進んだ後工程を開発・活用している半導体メーカーのリーダーと、日本が誇る後工程技術のエッセンスに触れられる得難い場だと言えます。そこでは、半導体に革新を生み出しさらなる進化を実現させるため、これまでになかったような新たな価値をチップに付与するための、多くのヒントが得られるに違いありません。

APCSAdvanced Packaging and Chiplet Summit(APCS)

半導体パッケージング、基板実装分野のトッププレイヤーが集結

会期:2022年12月14日〜16日
会場:東京ビッグサイト 東1・2・3ホール