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WORLD OF IOT通信 2017 Vol.6 Repo.3 Smart Manufacturing

WORLD OF IOT
スマート・マニュファクチャリング製造ラインを支える管理コンセプト「SEMI FlowMaster」

 

Vistaideal Consulting
浅川 輝雄

 

IoT、Industrie 4.0時代の広域に渡る統合型製造環境「スマート・マニュファクチャリング」。潤沢なセンサによる多量なデータと人工知能的分析によるデータの活用面が強調されていますが、実際に製造を行う製造ラインの管理はどう進化すべきでしょうか? SEMIは装置状態と製造物の流れとを安価で柔軟に管理するFlowMaster コンセプトを提唱しています。

 

SEMIのSmart Manufacturing関連Booth

今年もSEMIはスマート・マニュファクチャリングへの取り組みの展示を行います。

  • Smart Manufacturing Area Booth     メンバー会社によるGEM/SECS応用
  • SEMI Smart Manufacturing Booth     SEMIのスマート・マニュファクチャリングへの取り組み
  • SEMI FlowMaster Forum Booth         SEMI FlowMasterの紹介とPLCへの実装デモ

半導体前工程はその複雑さ故に早期からIT化を推進し、SEMI GEM300スタンダード群によりHost中心のJob Shop型の全自動化ラインを実現し、更なるスマート化を追求しています。

一方で、一般的な製造ラインはFlow Shop型で事情が異なります。簡単な電気信号で装置と装置が接続されて製品が流れるホストもないような小規模ラインもあれば、製品に付けたICタグの情報によって加工を行なう場合もあり、一般にホストの負荷(価格)を抑えながらのスマート化が必要になります。

SEMIではそのような製造ライン向けにSEMI FlowMasterコンセプトを提唱していますので、以下にご紹介致します。

 

製造ライン管理の2つの側面

スマート・マニュファクチャリングと言うと、潤沢なセンサによる多量なデータと統計的人工知能的分析によるデータの活用面が強調されていますが、製造ラインの管理には以下の2つの側面があります。

  • 統計的な効率などで論ずることができる運用の側面
  • 厳格な同期や実時間性が要求される制御の側面

製造ライン管理の上層になるほど運用の側面が、下層になるほど制御の側面が強くなります。

 

運用の側面

巨視的に見れば製造ラインは製品の品質と納期とが満足され、コストを低く(入力に対して出力を大きく)運用されていれば、良い状態にあると言えます。巨視的な管理は一般に時間的には緩慢で多量なデータからの解析や推論というアプローチに馴染み、人手では把握が難しい傾向や原因をコンピュータによる多量なデータ処理で得ようとする試みは製造ラインを大局的に監視して運用する分野で成果を収めています。

 

制御の側面

一方で、具体的に製品を製造する装置の制御は実時間的で個の厳格な管理を必要とします。下処理をしたものは一定時間内に次の処理をしないとだめになってしまうなど、処理時間や処理間待ち時間などに物理化学的な制約が大きいためです。そこで個々のデータや厳格な手続きの管理とその自動化が必要になります。いわゆる搬送側面での自動化は一般的に既にかなり進んでいますが、スマート・マニュファクチャリング対応となると、搬送と同時にデータを扱う必要があります。

 

装置データと製品データ

製造ラインのデータは、装置に従属する初期設定やレシピや稼働状態などの装置データと、製品に従属する個体IDや品種や処理履歴などの製品データとに大きく分類できます。多くの製造ラインは製造工程順に並べられた装置を製品が流れて行くFlow Shop型です。装置はホストと直接会話できますので装置データはホストによって直接管理することができますが、製品は装置間を流れて行く上に自力では会話できません。

そこで製品データの管理は一般に、

  • 製品にICタグを付けて製品に持たせ、装置はそのICタグの情報を参照して加工する
  • 逐次ホストに上げてホスト上で管理し、装置はホストからの情報を参照して加工する

と言う方法が考えられます。

多くの製造ラインでは、まだ装置が互いに接点信号などの単純な信号でハンドシェイクを行って製造物を順次受け渡し、予め設定された処理を行っています。そのような製造ラインを製品の混流や処理の最適化および履歴取得が可能なスマートな製造ラインにするには、ホストコンピュータを導入して製造物の流れと装置の設定を管理するのが一般的です。しかし、装置間で受け渡される製造物のその情報だけをホスト経由で別途受け渡することは二度手間になり、ホストと装置との間での製品と製品データとの同期のための手続きも煩雑になります。そこで、製造物にICタグを付けて装置間で直接受け渡す方法がよく用いられます。しかし、これにはICタグとその脱着およびICタグのリーダのコストがかかる上に、製造物に依ってはICタグを付けることができない場合もあります。

 

「情物一致」の製品データ管理

そこで、SEMIでは、

  • 製品と製品データとを隣接する装置間で同時に移送する

と言う方法を採用し、製品にICタグを付けず、ホストも経由せずに装置間で製品とその情報とを同時に受け渡すことのできる装置間(M2M: Machine to Machine)通信インターフェイス・スタンダード「SEMI A1 Horizontal Communication(HC)」を開発致しました。SEMI A1 HCは異種の産業ネットワーク対応のPLC間でも容易に実装できるよう配慮されています。更に、このSEMI A1 HCを応用したICタグの要らないスマートでオブジェクト指向なFlow Shop型自動製造ラインの管理コンセプト「FlowMasterコンセプト」を提唱しています。

 

図

SEMI A1 HCFlowMasterコンセプト

 

隣接装置間はSEMI A1 HCで結ばれ、製品と製品情報とは常にセットになって移送され、この機能だけで製品と現品票の流れを実現できます。並行して隣接装置間で汎用情報を交換することができ、装置間でのフィードバックやラインの分岐制御など、ホストに依らず自律分散的に諸調停を行うことができます。更に、SEMI A1 HCの汎用情報インターフェイスはホスト・インターフェイス(Vertical Communication)としても使用でき、装置管理は垂直に、製品管理は水平にという大きな枠組みを形成します。

 

活動と展示

この活動はSEMI FlowMaster Forumにて関連企業によって行われており、FlowMasterコンセプトの使用社であれば参加することができ、SEMI A1 HCの実装ノウハウの共有や、互換性試験や、更に上位の仕様の検討などを行っています。

FlowMaster Forum BoothではSEMI A1 HCおよびFlowMasterコンセプトをご紹介し、更に、複数の参加企業によるPLCとその表示器を用いた製品の受け渡しシミュレーションのデモンストレーションを行います。

また、本コンセプトはTechSPOT INNOVATION & IoT(東展示棟 3ホール)にて「タグの要らないIoT(Smart Manufacturing Line Free From Tag)」としてSIEMENSの大渕文靖氏による講演で紹介されます。

 

<SEMICON Japan 2017 / WORLD OF IOT>
2017年12月13日~15日 東京ビッグサイト
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<関連セミナー>
Smart Manufacturing フォーラム  (12月14日(木) 10:20~12:00)
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